高卒認定試験(高認)の地学に焦点を絞った「地層」分野のポイント解説です。地層分野は地質時代と化石の分野とともに出題されることが多いので、ワンセットにして学習するとよいでしょう。
ここでは「地層」についての攻略ポイントを説明します。地層の中には化石が含まれており、地質時代とともに出題されることがほとんどです。そのため「地質時代と化石」と「化石」(←このページで解説)をワンセットで勉強するとよいでしょう。
地層はおもに水中で砂や泥が積み重なってできます。砂や泥が積み重なって地層ができることを「堆積(たいせき)」と言います。火山の噴火により火山灰が堆積して、地層ができたり、洪水が起こったときに土砂が堆積してできたりもします。地層は基本的に、下から上へ積み重なってできます。つまり、下の地層ほど古い地層(昔にできた地層)といえます。これを「地層累重の法則」と言います。
※ちなみに「累重(るいじゅう)」は地学特有の用語で辞書にはありません。「連続的に積み重なる」という意味になります。
地層ができた環境を知る手がかりになる化石を「示相化石」と言います。有名なのはサンゴの化石です。サンゴは暖かくきれいな浅い海にのみ生息しますので、地層にサンゴが含まれていた場合その地層はそのような環境のもとで堆積したことがわかります。
サンゴのように特定の環境に生息する生物の化石が示相化石として適しています。
また、シジミの化石も「示相化石」として有名です。シジミは淡水と海水が混ざりあう汽水域(河川が流れこんでいるが、満潮になると海水の流れこむ海辺の湖や河口付近)に生息しています。そのため、シジミの化石が発見された場合は、そのような環境のもとで堆積した地層であることがわかります。
さらに、アサリやハマグリ、カキ(比較的浅い海)、ホタテガイ(寒冷な海)、マンモス(寒冷な気候)などを覚えておくとよいでしょう。
代表的な示相化石は以上ですが、もし覚えていない示相化石が出題されても、その生物が生息している環境から推定して解答しましょう。
〔出題例の正解〕出題例1は2、出題例2は4
地層は砂や泥が堆積し、時間の経過とともに固まって岩石になります。これを「続成作用」と言います。
地層の中に地下から熱いマグマが入り込んでくる(=貫入する)ことがあります。すると熱いマグマに接した(地層の)岩石は変化してしまいます。これを「接触変成作用」と言います。変化した岩石は「接触変成岩」と呼ばれます。
一方、貫入したマグマは冷えて火成岩になります。
接触変成岩として「ホルンフェルス」と「結晶質石灰岩(大理石)」の2つを覚えておきましょう。
実際には次のような形で出題されます。
「地層C中の砂岩は熱を受けてもとの岩石とは見かけの異なる岩石に変わっていた。変化してできた岩石を何というか?」
1 ホルンフェルス 2 結晶片岩 3 片麻岩 4 チャート
〔出題例の正解〕4
地層をつくる岩石はマグマの熱で変化することもありますが、大規模な造山活動(地殻変動)による圧力や温度で広範囲にわたって岩石が変化することもあります。これを「広域変成作用」と言います。
広域変成作用の結果できる岩石を「広域変成岩」と言います。広域変成岩は「片麻岩」と「結晶片岩」の2種の特徴を覚えておきましょう。
〔出題例の正解〕3
地層が切られている問題図もよくみかけます。断層です。ほとんどの場合、断層の種類(正断層か逆断層)か問われるので判別の仕方を覚えておきましょう。見分ける手順は次の通りです。
1)まず2つに切られた地層のうち、上盤を見分ける
2)上盤が下盤に対して下にズレていれば、正断層
3)上盤が下盤に対して上にズレていれば、逆断層
また、それぞれどのような力がかかってできるのかも覚えておきましょう。
〔出題例の正解〕2
地層に関連する問題には、次の用語が出てくることもあります。参考書や教科書で確認しておきましょう。
・かぎ層 ・不整合 ・クリノメーター ・走向と傾斜 など
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