高卒認定試験・高認の出願動機・出願理由についての文部科学省の調査結果。大学へ進学するためが最も高く、高等学校卒業程度の資格・高卒資格が欲しい、専門学校への進学、就職のための順となっている。専門学校進学と就職のための割合は年々増加している。
文部科学省では、平成13年度より、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定・高認)の合格者に進路などを調査するアンケートを実施しています。その中で高卒認定に出願した動機(出願した理由)について尋ねる質問があります。この質問に対して最も多い回答は、毎回「大学への進学」です。平成13年度の調査開始以来、どの年度の調査でも毎回トップで半数を越えています。
次に多かったのは「高等学校卒業程度の資格が欲しかったため」です。他の選択肢と比べて漠然とした回答ですが、「次の目標がまだ決まっていないけど、まずは高校卒業資格を取得しておこう」、「一歩前進したい」という気持ちで受験された方々だと思います。
中学卒業後、進学されなかったり、中卒で就職された方、高校を中退された方々が、前向きな気持ちで受験され、合格されたのだと思います。
将来の目標を急に決めることは無理だと思いますが、合格前と比べて、高卒認定合格後には進路の選択肢が格段に広がるので、今まで気が付かなかったご自分の道が見えてきた方も多いのではないかと思います。
3番目に多かったのは「専門学校へ進学するため」です。具体的な夢や目標が決まっている方々の回答だと思います。自分の好きな分野や得意な分野のスキルを専門学校で身につけて、将来、自分の目指す道に進みたいという積極的に生きる方々だと思います。
最近は、大学を卒業しても就職先が決まらず、大学卒業後に専門学校に入学してから、就職をされる方も少なくないようです。その意味では、初めから専門学校へ進学するという選択は、最短で目標に近づける、今の時代に適した賢明な選択と言えるでしょう。
また、「短大に進学するため」、「留学のため」という回答があります。全体の中での割合は少ないのですが、「専門学校へ進学するため」と同じように前向きな考え方をお持ちの方々の回答だと思います。
なお、この調査では「大学・短大・専門学校への進学」が高卒認定試験の出願動機となっている受験生は全体の8割以上を占めています。
何らかの理由で、高校の卒業単位が不足しそうな方や通信制高校の卒業単位に加算するという方々の回答だと思います。高卒認定試験は、高校に在学されていても受験することができます。病気等で高校を長期欠席されて、卒業に必要な単位が満たないと予想される場合など、救済措置的に高卒認定試験を活用することができます。
〔データ出所〕
文部科学省「高等学校卒業程度認定試験合格者の進路状況に関する調査の結果について」平成25年1月16日より