技能連携制度の活用により専修学校の卒業により、高卒資格(学歴)の取得が可能に。技能連携は、「連携」の名のとおり、通信制高校が高等専修学校と連携して教育を行う制度。専門的な技術を身につけながら、高卒資格・高卒学歴も得られるというメリットが生まれます。
専修学校には、専修学校、高等専修学校、専門学校の3種類があります。
このうち、専門学校への入学要件は高校卒業(または同等の資格)になっています。また、専修学校や高等専修学校を卒業しても、高卒資格(学歴)は得られません。
しかし、技能連携制度を活用している3年制以上の高等専修学校を卒業した場合、高卒学歴(高卒資格)を得ることができます(※1)。
学校名称 | 卒業時の高卒資格(学歴)資格 |
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○○専修学校 | 高卒資格(高卒学歴)は得られない |
○○高等専修学校 | 基本的には高卒資格(高卒学歴)は得られないが、技能連携制度の活用により、卒業時に高卒資格(高卒学歴)が得られる。 |
○○専門学校 | 入学要件が高卒資格(※2) |
※1:技能連携しているが3年制未満の高等専修学校の場合には、卒業後に連携している通信制高校で1年以上学んだ後、高校卒業となります。
※2:専門学校の入学資格は高校卒業者(高卒認定試験の合格者も含む)または3年制以上の高等専修学校の卒業者です。
技能連携制度は、「連携」の名のとおり、通信制高校が高等専修学校と連携して教育を行う制度です。修了時には、上記のとおり専修学校卒業と同時に高卒学歴(高卒資格)が得られます。技能連携制度のもとでは、高等専修学校(=技能連携校)での学習が通信制高校卒業のための単位として認められます。つまり、高等専修学校で学んだことが、通信制高校における科目履修とみなされ、通信制高校の卒業単位として加算される(※)ということです。
※法令では、高等専修学校で学んだことは、通信制高校で修得する単位の半分まで認められます。
具体的には、高等専修学校に入学すると同時に通信制高校にも同時入学(=2つの学校に籍をおく)します。そして、生徒は日々、高等専修学校(=技能連携校)に通います。通信制高校へはスクーリング(面接授業)などの日に登校(月に2~3回程度)します。ただし、実際には、通信制高校から教員が出向いて面接授業を行ったり、高等専修学校の高等課程の教員が授業を行うケースも多く、実際には一つの学校で学ぶ場合も多いようです。
また、通信制高校のレポート等は専修学校の授業の中で指導を受けるので、二重の負担感はありません。技能連携の仕組みとしては、サポート校と似ています。
〔学校教育法第55条〕
高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、技能教育のための施設で当該施設の所在地の都道府県の教育委員会の指定するものにおいて教育を受けているときは、校長は、文部科学大臣の定めるところにより、当該施設における学習を当該高等学校における教科の一部の履修とみなすことができる。
〔技能教育施設の指定等に関する規則(単位の修得の認定等)〕
第7条 高等学校の校長は、当該高等学校の定時制の課程又は通信制の課程に在学する生徒が、あわせて指定技能教育施設において前条の計画に基づき連携措置に係る科目を学習し、その成果が試験その他の方法により当該科目に対応する高等学校の科目の目標に達していると認めるときは、所定の単位の修得を認定することができる。
2 前項の規定により校長が修得を認定することのできる単位数の合計は、当該高等学校が定めた全課程の修了を認めるに必要な単位数の二分の一以内とする。
技能連携制度には、高等専修学校で専門的な技術を身につけながら、高校卒業学歴も得られるというメリットがあります。専修学校と高等学校の2つの学校を同時に卒業し、2つの学校の卒業証書がもらえる言わば「ダブル卒業」です。
技能連携制度により高卒学歴を得れば、大学・短大、専門学校への道が開けます。また、高等学校卒業という学歴のもとで、資格試験や就職試験を受けることができます。
技能連携校は教育委員会から指定を受けた技能教育施設(高等専修学校)です。連携する通信制高校との併修により高卒資格(高卒学歴)とその技能連携校の修了資格を得ることができます。
サポート校は通信制高校を修了するための手助け(サポート)をする教育機関です。サポート校の卒業は学歴とはみなされませんが、通信制高校卒業の学歴は得ることができます。最近では、技能連携校と同じように技能修得、資格取得のために多彩な分野を設置しているサポート校が増えています。
※技能連携は「学校教育法」に基づいて都道府県の教育委員会から指定を受けた教育施設(おもに高等専修学校)のみ導入できる制度です。
※サポート校では、学割や奨学金が受けられない学校もあります。入学する前の説明会等で、ご確認ください。