専修学校とは、仕事や生活に必要な能力を育成し、専門的技術や知識・教養を身に付ける学校です。専修学校には高等課程、専門課程、一般課程の3つの課程があり、学歴で入学できる課程が決まる。設置課程により専修学校の学校名も異ななります。
専修学校とは、仕事や実際の生活に必要な能力を育成し、専門的な技術や知識・教養を身に付ける学校のことです。専修学校には高等課程、専門課程、一般課程の3つの課程があり、学歴で入学できる課程が決まります。
専修学校の修業年限は1年以上と学校教育法で定められていますが、学科によって1年制から4年制までいろいろなコースがあります。
専修学校を卒業しても原則としては「高卒資格」は得られません。しかし、最近では通信制高校との「技能連携」や「大学入学資格付与指定校」の制度が普及し、これらの制度を取り入れている高等専修学校(=高等課程を設置している専修学校)で一定の条件を満たして卒業すれば、大学や短大へ進学できる資格(高卒同等資格や高校卒業学歴)が得られる専修学校も多くあります。
上記のとおり、専修学校には高等課程、専門課程、一般課程の3つの課程があり、専修学校入学前の学歴で入学できる課程(入学資格)が決まっています。また、専修学校が設置している課程に対応して、学校名が「○○高等専修学校」「○○専門学校」「○○専修学校」のようになります。
設置課程 | 入学資格 | 学校名称 |
---|---|---|
高等課程 | 中学卒業者 | ○○高等専修学校 |
専門課程 | 高校卒業者 高等課程(3年制以上)の卒業者 |
○○専門学校 |
一般課程 | 学歴・年齢等問わず | ○○専修学校 |
高等課程と専門課程を併設している専修学校もあり、その場合は、
のような表記になります。
※高等専修学校と高等専門学校(=高専)は名称は似ていますが、種類が異なる学校です(学校の設置基準や設置目的が異なる)。間違えないようにご注意ください。
専修学校での教育内容は、社会のニーズに対応すべく、工業、農業、医療、衛生、教育・社会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養の8分野があります。それぞれの分野ではさらにバラエティに富む学科が設置されています。
理論を学ぶことを重視する大学と比べ、専修学校では、社会に出てすぐに役立つ専門的知識や技術習得を中心とした実践的な教育内容となっています。そのため、授業のうち実験や実習の割合が高い学科が多いことも特徴です。
分野 | 主な学科 | 教育内容 |
---|---|---|
工業 | 情報処理、土木・建築、 農業、 電気・電子、自動車整備など | 目覚ましく進展している機械、 通信等の工業技術に対応でき る人材を育成している分野で す。どの学科でも最新の教育 が行われています。 |
農業 | 園芸、畜産、バイオテクノロジー、 ガーデンビジネス、フラワー ビジネス、動物管理など | 農業・畜産関係だけでなく、 進歩するバイオテクノ商品流 通等に関連した科目が充実し た分野です。 |
医療 | 看護、歯科衛生、歯科技工、 臨床検査, 診療放射線、柔道 整復、理学・作業療法など | 看護師をはじめとする様々な 医療現場で働く技術者を養成 する分野です。医療分野では 国家資格を必要とする職業が ほとんどです。 |
衛生 | 栄養、調理、理容・美容、製菓・ 製パン、エステティックなど | 飲食・調理関係と、理容美容 関係に大別される分野です。 どちらも卒業生のほとんど が、関連した職業についてい ます。 |
教育・社会福祉 | 保育、社会福祉、介護福祉、 医療福祉など | 教育現場や社会福祉における 専門的な技術・知識を修得す るとともに、責任感や豊かな 心を育むことを目指していま す。 |
商業実務 | 経理・簿記、秘書、経営、情報、 観光・ホテル、医療事務など | ビジネスのプロフェッショナ ルを養成している分野はどの 企業においても活躍の場があ ります。 |
服飾・家政 | 和洋裁、服飾、 ファッションデザイン、 ファッションビジネスなど | ファッション業界の担い手を 養成する分野です。感性を磨 くとともに、それを実現する 高度で正確な技術を身につけ ることを目指しています。 |
文化・教養 | 音楽、美術、グラフィックデザ イン、外国語、演劇・映画、通訳・ 翻訳、法律行政、スポーツなど | 語学関係、芸術関係などバラ エティに富んだ分野です。時 代の流れを先取りした学科 が、続々誕生しています。 |
高等課程を設置する専修学校を高等専修学校とよんでいます。高等専修学校は、約400校あり、約3万5,000人が学んでいます(令和元年度)。技能や実務面の教育に重点をおいて、社会に出てすぐに役立つ教育を行っており、高等学校と並ぶ中等教育機関として位置づけられています。
3年制の高等専修学校を卒業すると、専門学校へ進学することができます。さらに、大学入学資格が付与される学校を卒業すると、大学・短期大学へ進学することができます。このように、高等専修学校を卒業してからも、進学の道は広がっています。
なお、平成24年4月より、専修学校では単位制の学科、通信制の学科の設置が可能になりました。これらの導入により、自己のペースにあった学習、時間や場所にとらわれない学習が可能になります。
専修学校では、将来の仕事に役立つことを中心に学ぶことができ、それぞれの目標や夢に向かって進むことができます。なりたい自分になるために、学びを求める皆さんの前には、たくさんの可能性がひろがっています。現在、進路を探されている方は、専修学校も一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。