現代社会の攻略法・傾向と対策/高卒認定【高認】
現代社会の問題内容と問題構成
現代社会はその名のとおり「現代の世の中」について学習するものなので、教科書や参考書に載っていない現代の時事問題(社会問題)や若者文化などを題材とした問題がよく出題されます。例えば、北方領土の問題、中国の経済発展、日本の少子化の問題、環境問題、桜の開花、うなぎの絶滅危惧の問題、コンビニエンスストアの利用など、世界情勢から身近な個人の消費に至るまで、さまざまなことが題材となっています。
今後は、例えば、東京オリンピックに向けて、外国人との交流(融和)や環境問題(パリ協定)、地震や豪雨による災害とボランティア活動など、まさに今マスコミを賑わしている内容が題材となることが予想されます。このような時事問題の対策として、NHKのドキュメンタリ番組などを見ておくと、役に立つと思います。
問題数は、ここ数年24問で、配点は1問につき4点~5点となっています。試験時間は50分です。
出題項目と過去の出題例 | 出題数/配点 | |
---|---|---|
第1問 | 私たちの生きる社会防犯カメラ、代理出産、遺伝子操作など | 3問/12点 |
第2問 | 青年期と自己の形成アイデンティティ、障害学習、日本の伝統と文化など | 3問/13点 |
第3問 | 現代の民主政治と政治参加の意義公職選挙法、投票率、女性の権利など | 3問/12点 |
第4問 | 個人の尊重と法の支配民主的なルールづくり、国会の議決、ギリシア時代の法など | 3問/13点 |
第5問 | 現代の経済社会と経済活動の在り方財政政策、金融政策、消費税と税率など | 5問/21点 |
第6問 | 国際社会の動向と日本の果たすべき役割領土問題、紛争、世界遺産など | 5問/21点 |
第7問 | 共に生きる社会を目指して環境問題をテーマとした出題が多い | 2問/8点 |
現代社会の問題はグラフや表の読み取りがメイン
現代社会の問題のほとんどはグラフや表の数値を読み取る問題です。教科書に載っているような現代社会としての知識が必要な問題は3分の1程度(24問中7~8問)です。知識問題でも、ほとんどは問題文にヒントが含まれており、空欄補充(穴埋め)となっています。
現代社会は試験問題自体が教科書的なので、社会経験のある方や社会が得意な方は、特に教科書等で勉強されなくても、過去問題を解きながら、知らない用語等を参考書やインターネットで調べながら勉強するという方法が効率的でしょう。例えば「GDP」「バブル」「累進課税」などの用語や「◯◯率」の計算方法(簡単な数学・算数程度)など、問題を解きながら、わからない用語や計算が出てきたら、調べて覚えればよいでしょう。
現代社会は長文が多い、大切なのは「集中力と根気」
現代社会の問題は長文です。問題文だけでなく、選択肢まで長文です。しかし、ほとんどの場合、その長文の文中に正解のヒントが書かれています。問題文やグラフ、表などを根気強く読み取ることができれば、ほとんどが正解できます。現代社会に合格するために、最も重要なことは、集中力と根気といえるでしょう。
試験時間が不足するの可能性あり。過去問で十分訓練しておこう。
現代社会は問題文、選択肢が長文で、グラフの読み取り等に時間がかかるため、時間不足になる可能性があります。選択肢が長文で正しいものを選ぶ問題では、正しい選択肢を見つけた時点で、とりあえず解答し、残りの選択肢は読まずに次の問題に進み、最後に時間が余ったら読み残した選択肢の確認(選択肢が誤っていることの確認)をするという方法も考えられます。過去問題で時間を計って解くなどの訓練しながら、ご自分に最適な試験問題の解き方を身につけておきましょう。
なお、過去問としておすすめしたいのは、高卒認定スーパー実戦問題集です。収録問題数が過去6回分(市販されている問題集の中では最多の収録数)であるため、十分な訓練ができますし、解説も丁寧だからです。
現代社会の試験問題のタイプ
高卒認定試験(高認)の現代社会は、小問(問い)ごとに見ると、問題のタイプが大きく3つのタイプに分かれます。
- 一般常識で解ける問題(常識問題)
- 現代社会としての知識で解く問題(暗記問題)
- 表やグラフ、長文を読み取って解答する問題(読み取り問題)…全体の7割程度がこのタイプ
それぞれについて、実際に出題された問題を見てみましょう。
1・一般常識で解ける問題
日本の文化、風習、最近の社会問題などに関する一般常識的な問題も毎回出題されています。 日頃からテレビのドキュメンタリー番組やニュース、新聞などを通して、現代の世の中がどうなっているのか関心を持つようにしておくとよいでしょう。
・・・といわれても「なかなか関心が持てない!」という人も多いのではないでしょうか? そんな方は、少しでも興味のある話題の一つを、テレビのニュースやインターネットでとことん調べて、その内容を親や友達に、何気なく話して、聞いてもらう方法も効果的です。例えば「地球温暖化」「若者文化」「選挙」「金融危機」など、現代社会的な内容であれば、何でもよいと思います。その入り口となる一つの事柄は、たいてい他のいくつかの事柄と関連しているので、連鎖的に知識が深まります。
(問題の正解=3)
2・現代社会としての知識で解く問題(暗記問題)
この問題は「青年期の課題」で学ぶ「昇華」という言葉の意味を理解していれば、正解できます。
※昇華=満たされない性的欲求や攻撃欲求を芸術やスポーツ、学問という形で表現すること。
※この問題については現代社会で学ぶ「昇華」という言葉を知らなくても、「昇」る、「華」やか、という漢字ひとつひとつの意味からなんとなくイメージできるのではないでしょうか(→昇りつめて華やか)。そんな視点も試験では正解のヒントになることがよくあります。それと「昇華」は性的欲求に対して使われることが多くあります。それを知っているだけでも、正解にたどりつけると思います。
このように現代社会としての知識が問われる問題は、おもに共通問題で出題され、全体の3割程度を占めます。中学の公民にはない「青年期」はよく出題されます。
(問題の正解=4)
※一般の大学受験用参考書では、暗記項目が多く、学習効率がよくないので、高認対策用として適度なレベルと内容で盛り込まれている高卒認定ワークブック(j-出版)のなかのstep問題(基礎問題)をまずは覚えるとよいでしょう。
3・表やグラフを見て解答する問題(読み取り問題)
おもに、選択問題で出題されます。全体の6割~7割程度を占めます。現代社会に関する表やグラフの数値や傾向を読み取り、選択肢の文章と見比べて解答します。
選択肢の文が長く、紛らわしい選択肢が含まれているので、途中で嫌になるかも知れませんが、投げ出さず、根気強くやれば、ほとんど正解できるはずです。ただし、本試験では、制限時間内に解答しなければならないので、本番でタイムオーバーにならないように過去問で十分に訓練しておきましょう。
コツは、選択肢を読んでいる途中で、数値などが一部分でも違っていたら、除外していく、消去法がいいでしょう。なかには「適切でないもの」を選ぶ問題もありますので注意してください。
なお、この読み取りタイプの問題では、次の基礎知識が必要になることがありますので、確認しておきましょう。
- 「百分率(パーセント)」や「十分率(割)」、「倍率」の意味と計算
- 都道府県の日本地図上の位置
- よく話題になる国や主要国の世界地図上の位置
(問題の正解=4)
高認・現代社会は、題材のバリエーションが豊富。時には奇抜な問題も…。
このような問題が出ても、あせる必要はありません。誰もが試験会場で初めて見る問題です。知識はなくても、落ち着いて考える力があれば、正解できる問題です。
↑クロスワードパズルが現代社会の問題に登場!...φ(^∀^*)
↑なんと昔話が登場。でも国語ではないので簡単に読める(^-^)
↑興味ある音楽ジャンルの調査結果が題材に…( ^0^)θ~♪
合格者・先輩からのアドバイス
現代社会は、今回の試験で本当に基本的な事がたくさん出てたような気がします。グラフとか表から読み取る問題も出ましたが、表をじっくり見ると、答えは表を読み取ることで解ける問題でした。グラフがごちゃごちゃかいてあって分からないような気がしましたが、ちゃんと見ると解けます。なので、表の問題は難しいようにみえてサービス問題(?)だと思います。でも表をじっくり見るのは時間がかかりましたので、表から読み取る問題は最後にやるべきかとおもいます。役にたたないかも知れませんが、これが今回の試験を受けた私の感想ですm(__;)m
高卒認定ワークブック - 現代社会
現代社会は、青年期、文化、憲法、政治・経済、国際問題など広い分野にわたっています。高卒認定ワークブックでは、4つの章に分けて、単元ごとに出題傾向とともにどこを押さえればとよいのかがシンプルに示されているため、高認対策としての現代社会の基礎事項や用語などを学ぶのに最適です。
高卒認定試験の出題傾向・形式・レベルに合った学習内容なので勉強して無駄になる内容はなく、効率的に基礎から確実に実力をつけることができます。内容は問題が中心。高認に特化した学習書なので、本試験でもワークブックの類似問題が多く出題されています。
また、要点整理がなされており、解説も一問ずつ丁寧に説明されています。高卒認定試験対策に最適な参考書的な問題集です。
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高卒認定スーパー実戦過去問題集 - 現代社会
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