サポート校選びのヒント
サポート校は、学習塾が通信制高校サポートコースのような形で運営している小さな規模のものから、大学受験予備校や専門学校が全国展開している大きな規模のものまでさまざまです。また、指導内容も学習指導中心の学校から、全日制高校と同じように行事を行ったり、将来を見据えて、資格取得のための指導を行ったりとさまざまです。規模が大きければよいというものではなく、自分の目的に合ったサポート校を選ぶことが大切です。どのサポート校でも卒業すれば、高卒資格(高等学校卒業学歴)が得られます。
私とサポート校
卒業したときの自分をイメージして選ぶ
サポート校に入学する目的にもよりますが、3年間学んで、単に通信制高校を卒業しただけでは、普通の高校卒業と同じになってしまいます。高校卒業を目標としてサポート校に入学するのなら良いのですが、高校卒業+アルファがあってこそ、サポート校に通う意義が高まります。せっかく、サポート校に通うのですから、例えば、スポーツや音楽、美容の技術などを身につけたり、大学受験に必要な科目のみを中心に勉強して学力をアップさせたり、ひきこもりがちであった自分が、友達や先生と接することが楽しくなったなど、何かしら自己の向上につながることを得たいものです。卒業したときの自分をイメージしながら、学校選びをすると、よりよい選択ができるでしょう。
無理なく継続して通える環境か
良さそうなサポート校を見つけたら、無理なく通える環境にあるかも調べるとよいでしょう。例えば、3年間継続的に通える距離か、通学時間や交通機関の乗り換え等はどうかなど。単に交通機関を利用している時間(乗車時間)だけでなく、待ち時間や徒歩の時間なども確認しておくとよいでしょう。
また、通信制高校の集中スクーリングで、5日~7日程度、遠方に行く場合があります。通常は、サポート校と連携している通信制高校がスクーリング会場となります。沖縄や屋久島など、自然豊かな土地で人間性の向上を目指す通信制高校もあります。
好きな事をしながら高卒資格が取れます!
サポート校は、ただ勉強をするためだけでなく、夢を叶える第1歩を踏み出すためにあるのです。私の学校では、専任スタッフが高校卒業までの対策をバッチリしてくれるので、自分に合う勉強法で高卒資格を取ることができ、自分の好きな事により集中できる環境が手に入ります!
指導内容の観点から
生徒指導は一人ひとりに行き届いているか
サポート校へ入学する生徒は、不登校の経験をしたり、高校中退の道をたどってきたという経歴を持っている場合が少なくありません。生徒本人や親御さんにとっては、新しい環境でうまくやっていけるかという心配もあると思います。そんな不安を払拭してくれるような、親身な生活指導を行ってくれそうなサポート校を選ぶとよいでしょう。そのためには、実際にサポート校に足を運んで、入学担当の先生に話を聞くことが最も効果的です。また、休んだ場合や授業についていけない場合に、個別に学習指導をしてもらえるのか。進路相談等に乗ってもらえるのかなどを確認しておくとよいでしょう。
卒業後の進路を見据えた教育を行っているか
サポート校の第一の目的は「3年間での高校卒業」ですが、その先にある一人ひとりの将来、夢や目標を見据えた指導を行っているかどうかもサポート校選びでは大切なポイントになります。「単に卒業させました」では、今どきのサポート校の意義がなくなってしまいます。
たとえ入学時には夢や目標がなくても、サポート校の自由な校風のもと、さまざまなことを学び、資格や技術を見につけ、友達や先生とふれあう中で、将来への夢をふくらませてくれるようなサポート校を選びたいものです。全日制高校にはないサポート校ならではの独自の指導を受けることで、サポート校に通う意義が高まります。
卒業率・進路決定率は?
通信制高校を独学で3年間で卒業することが難しいからこそ、サポート校の意義があります。3年間で確実に高校を卒業をし、さらには進路が決定されないとサポート校の本来の目的は果たされたことにはなりません。
「サポート校が本来の目的を果たしているか、3年間で確実に卒業できる教育体制があるか」を確認する目安としては、卒業率、進路決定率が挙げられます。ただし、不登校や心の病を持つ生徒を専門に受け入れているサポート校もあり、一概には判断できませんが、一般的なサポート校では、卒業率が9割以上であれば安心でしょう。パンフレットを取り寄せたときや学校訪問したときには、卒業生の進路先とともに3年間での卒業率や進路決定率を確認してみるとよいでしょう。
学費納入に関する確認
学校説明会で、入学担当の先生の話を聞いて、サポート校の良さを知り、入学しても、やはり、最初のイメージとは違うことは、必ずと言っていいほどあります。些細なこととして、乗り越えられるレベルであれば、続けた方がよいのですが、どうしても馴染めなかったり、通うことが困難になった場合は、退学手続きをとることになると思います。そんなときのために退学時に返金について、入学前に確認しておきましょう。基本的に、サポート校へ入学した場合、入学金は返金できませんが、支払った授業料のうち(在籍)期間が経過していない分については特定商取引法により返金されなければなりません。契約書で「一度納入した学費は、いかなる理由があっても返金できません」というような記述はあってはならない内容です。また、入学の契約をしたものの、その直後に考えが変わり、解約したい場合の「クーリングオフ」についても確認しておくとよいでしょう。
サポート校の運営(経営)状況の確認
通常、サポート校の運営者(経営者)は、塾や予備校、専門学校などです。長年の実績がある大手の学校であれば、ほぼ安心ですが、経営不振で閉校となる小規模なサポート校も時々見かけます。少々厳しい見方になりますが、生徒数とそれに応じた授業の方法などもわかる範囲で調べておくとよいでしょう。たとえ生徒数が少なくても、生徒が登校しており、授業を行い、しっかりと運営しているようであれば問題ありません。担任や講師はそのサポート校所属の専任であることが理想的です。非常勤講師(アルバイト)の数もわかれば参考になるでしょう。
サポート校を見つけて、見学に行く
まずは、パンフレットやホームページでチェック
パンフレットや入学案内の作り方(完成度)によって、その学校のサポート校部門への力の入れ方がある程度わかります。もちろんパンフレットのみで判断してしまうのは早計ですが、パンフレットの内容や作り方には、その学校のサポート校部門への力の入れ方や生徒への心遣いなどが反映されています。但し、ペラペラのちらしのような学校案内でも、わかりやすく、丁寧さがあり、心が動かされるものがあれば問題ありません。
ホームページからも同じことが判断できるでしょう。例えば、スマホだと読みにくかったり、レイアウトが乱れている場合は、閲覧者への配慮が不足しており、生徒への配慮も同じではないかということが推測されます。
なお、パンフレットは次のサイトより、お近くのサポート校の資料を一括請求できるので便利です。
学校訪問・入学説明会
パンフレットやホームページを見て、よさそうなサポート校が見つかったら、学校訪問してみましょう。実際にサポート校を見学して、サポート校の先生(入学担当、進路相談の先生等)に相談してみましょう。できるだけ保護者同伴で行きましょう。社会で生きた年数が長い親御さんの判断はより的確で、話の内容からサポート校の微妙な面も認識できるはずです。
サポート校へ行ったら、これまでのご自分の状況や今の自分の状況をできるだけそのまま話し、将来の希望があれば相談してみましょう。
そのサポート校では何ができて、卒業時には、高卒学歴の他、どんなものが得られるのか。不登校経験者は適切にフォローしてもらえるのかなど… パンフレットの内容と現実は多少違うことや誤解していることもありますので、実際に尋ねてみましょう。その他、不安なことやパンフレットでわからなかったことなど、何でも質問してみましょう。
オープンスクール・学校見学
オープンスクール(無料体験授業・学校見学)に参加し、そのサポート校の雰囲気を体験すれば、サポート校の姿が一目瞭然となります。友達ができそうな雰囲気か、なじめそうか、先生は親身に対応してくれるか、授業はわかりやすかなど、学校の雰囲気全般を見ておくとよいでしょう。また、掲示物等は、きれいに貼ってあるか。職員室の書籍等はきれいに整頓されているかなどの校舎内の環境にも、その学校の見えない部分が反映されていることがあります。
ほとんどのサポート校ではオープンスクールを定期的に開催していますが、行っていないサポート校でも頼めば体験できる場合はほとんどです。体験授業で希望を持てたり、ここなら3年間安心してやり遂げられそうな気持ちになれたなら、そのサポート校はあなたにとって適した学校といえるでしょう。
ネットの口コミに注意!
ネットの口コミは、良くも悪くも個人的な感情が直接に反映されているケースが少なくありません。先生の質が悪いとか、学費が高すぎるとか、自分が気に要らないことを自己中心的に書いている投稿も見受けられます。さらには、事実ではないと考えられる内容も存在し、学校選びを惑わすものとなっています。悪い投稿を見たり、単に★が少ない、根拠が明確でない単なるランキングなどで判断すると、自分にとって最適なサポート校を選び損なってしまう可能性があります。あくまでも、それぞれのサポート校のホームページに掲載されている「生徒の声」や「卒業生の声」、「保護者の声」などを参考にすることが賢明です。もちろんそこには良いことしか書かれていないでしょう。それを確かめるために、実際に学校に訪問して、学校の雰囲気を直に感じて、あくまでも自分の判断でサポート校を決めることが、正しい学校選びといえるでしょう。